HAT神戸109で、日本とトルコの合作映画「海難1890(かいなん いちはちきゅうぜろ)」を見てきました。
朝10時半からの回でしたが、小さな箱だったとはいえ、かなり混んでいました。
レディースデーですが、男女ほぼ同じに近い比率だったのではないかなと思います。
日本とトルコ友好125周年を記念して制作された作品だそうです。
トルコが親日国だということも、明治時代の海難事故で和歌山の人がトルコの兵隊さんを救助して感謝され、トルコではいつまでも忘れずにいてくれたという程度のことは知っていました。
この作品は後日談として、1985(昭和60)年のイラン・イラク戦争で、トルコが取り残された日本人を救援機を出して救ってくれたお話がついていました。
☆「海難1890」(かいなん いちはちきゅうぜろ)
2015 日土(日本・トルコ)合作 132分
東映 12月5日公開
ここからあらすじ。
海難事故のおよそ1年前1889(明治22)年の日本とトルコから描かれます。
トルコは当時オスマン帝国で、皇帝の親書を渡すために、出港していくのですが、エルトゥールル号は、30年以上経ったかなりの老朽船で、石炭焚きの乗組員からは、「おばあさんのご機嫌をとらなきゃ」…などと軽口をたたかれています。
船足が遅く、1年余りかけて日本に到着し、天皇陛下に親書を渡し帰国しようとするのですが、船員たちがコレラに感染し、足止めを食い、台風シーズンに出港することになります。
和歌山の串本沖にある大島には、腕のいい医者が、貧しい人からお金を取らず暮らしています。
軍人出身なのか、訪ねてきた友人の軍人と勝負していたりします。
島民の中には遭難者を助けようとした許婚を失いショックで言葉を亡くした娘などもいて、海での事故は身近なことであることがわかりますし、島民たちは貧しいながらも心優しく助け合いながら暮らしていることがわかります。
トルコの海も大島の海も、とても美しいです。
レディと呼ばれてもいるエルトゥールル号、帆船ですが美しいです。
でも、嵐の中では、無残にマストが折れ舵もきかなくなり、雨で石炭も濡れ、最後の時を迎えます。
600人以上いた船員…69名が生き残ります。
事故の前後のシーンも、事故の後のシーンも丁寧に描かれています。
1985(昭和60)年のイ・イ戦争のシーンも短いですが、感動的です。
当時の法律では自衛隊は自国民を助けに飛行機を出すことができなかった…そうです。
トルコ政府と現場にいたトルコ民のやさしさは、決して忘れてはいけないことであろうと思います。
事故の起こった明治23年、1890年。
125年前の日本、明治になってまだよちよち歩きの時代であったろうと思います。
今の日本からみたら、とてもとても貧しかったと思いますが、心は美しく優しく、決断力もあり、見ていて頭が下がる思いでした。
そんなに長く感じなかったのですが、132分の作品で、エンドロールの間に多くの人が出て行ってしまいました。
でも、その後に、今の姿も少し出てきますし、トルコ大統領のご挨拶もありますので、慌てて出ずに見てほしいなと思います。
☆主演は、内野聖陽(うちの せいよう本名はうちのまさあき 1968年生・177cm)さん。
わずかですが、殺陣のシーンも格好よかったです。
英語のシーンも多かったですが、早稲田大学時代、英語会に所属していたそうで、初演劇の舞台は英語劇だったそうです。
☆ヒロインは忽那汐里(くつなしおり 1992年生 日系オーストラリア3世)さんで、2つの時代のヒロインを演じています。
透明感があって美しいです。芯の強い2つのタイプのヒロインを演じ分けていました。
☆ケナン・エジェ(1980年生)さんもエリート士官ムスタファと大使館員ムラトの2役を。なかなかのイケメンです。
☆アリジャン・ユジェソイ(1982年生)さんは、イベキール兵曹役で、この方も素敵でした。
この作品は、お時間があれば映画館で見ていただきたい作品です。
日本とトルコの多くの俳優さんたち、目立たない役の方も多いと思いますが、子どもから大人まで頑張っていました。
撮影大変だったと思います。
「日出ずる国、月昇る国」として、両国が描かれているのですが、トルコ国旗、確かに三日月ついてますね。
お土産の兜についている太陽と月、最後まで象徴的に出てきます。
10月に松山に旅行した時、「坂の上の雲」の秋山真之、秋山好古兄弟の生家を見学したのですが、遭難した方々を神戸から送り届ける船に秋山真之、乗っていたそうです。
秋山兄弟も、当時の日本の国もとても貧しかったこと、そして心清く、ひたむきであったことを、旅先で感じていたので、この偶然に、ちょっと驚きました。
この作品を見て、私の持っていたトルコのイメージは、外国の方が日本の江戸時代くらいの古いイメージで見ている場合が多いのと同じで少しズレていたことに気づきました。
明治のシーンの近代装備のトルコの軍人さんたち、当然なのですが洋風でした。
あとイスラム教らしく船上での礼拝のシーンもあり、弔いのシーンも日本、トルコ両方のしきたりというか礼装で亡き人々を送る場面も不思議と違和感ありませんでした。
なにげに出てくる子どもたちの無邪気な笑顔に癒されました。
★劇場
東映 上映劇場案内 『海難1890』 - TOEI THEATERS
★キャスト
キャスト - 日本・トルコ合作映画『海難1890』12月5日(土)公開
★予告編
海難1890 ダイジェスト特別映像PART2 - YouTube
★日土年表
日本・トルコ関連年表 - 日本・トルコ合作映画『海難1890』12月5 ...
★公式HP…少し重たいです
日本・トルコ合作映画『海難1890』公式サイト - 大ヒット上映中!
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